
Q 賃貸マンションを所有しています。土地面積はそれほど大きくありませんが、立地条件が良いため、業者から買い取りたい旨の申し入れがありました。この業者は買取後、既存のマンションを取り壊し、新たに10階建てのマンションを建築し、私はそのマンションの一部を等価交換として取得する予定です。このような場合、事業用資産の買換えとして課税の繰延が可能でしょうか?
A 事業用資産の買換えのうち「長期保有資産の買換え」の特例を使うことができます。こちらは、所有期間が10年超の土地・建物等を譲渡し、国内にある土地・建物等を買換えれば適用があるという、非常に範囲の広い使い勝手のよい制度です。
ただ、ご質問の場合は、同じ場所に建てかえられるマンションの一部を取得されるということですので、譲渡した土地が既成市街地等内にあり、買換資産が次の要件を満たせば、買換え特例の中でも「中高層耐火建築物の建設のための買換え」の特例(いわゆる「立体買換え」)を適用できる可能性があります。
- 1.地上3階以上の中高層耐火共同住宅であること
- 2.取得後1年以内に、事業又は居住用として使用すること
- 3.中高層耐火共同住宅の1/2以上が、居住用であること
- 4.譲渡した年の翌年中に買換資産を取得すること(一定の場合、延長可能),等
どちらも課税の繰り延べという点では同じですが、買換時に課税される金額に違いがあります。
そもそも買換え特例とは、担税力の観点から、手元に残ったお金にのみ課税をし、将来買換資産を譲渡するまで本来の課税を繰延べるという趣旨のものなので、譲渡対価全てを買換資産の取得に充てた場合には、買換時での課税はされないことになります。
ただし「長期保有資産の買換え」をはじめとする「事業用資産の買換え」については、手元にお金が残らなくても、譲渡対価の20%については、課税対象とすることになっています。
そのため「立体買換え」の方が、買換時の課税額が少なくて済むというメリットがあるのです。
ただし「立体買換え」については、上記のような適用要件があるため、それらの要件を満たさない場合には、適用範囲の広い「長期保有資産の買換え」を検討することになります。
買換えについては、添付書類や、買換資産の取得時期など、詳細な要件まで確認する必要がありますので、実際の適用の際はご留意下さい。
また「長期保有資産の買換え」については、現状では延長措置がとられていないため、平成23年12月末をもって廃止の方向です。来年の税制改正に盛り込まれるかどうか、今後の動きに注目です。

税理士 後藤 文
東京メトロポリタン税理士法人
「難しいことを簡単にお伝えしたい!」会計人としての永遠のテーマです。
平成15年に入所。その後出産を経て、仕事に復帰。現在は自宅・職場・保育園の3地点を巡回しております。
今は資産税を体得すべく、挑戦の日々です。誠心誠意で頑張ります。







