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行政書士/後藤貴仁

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相続税と贈与税

行政書士/後藤貴仁 | クロスリアルティコンサルタンツ行政書士事務所

Q 昨年、父より500万円の贈与を受けて贈与税の申告を行いましたが、仮に父が死亡した場合には、改めてこの500万円についても相続税の申告が必要となるのでしょうか。また、相続税と贈与税の関係について教えて下さい。

A 原則として、贈与税が課された財産については相続税の対象となりません。これは、贈与によって既に財産が移転しているため、相続税の対象となる被相続人(亡くなった方)の財産ではないからです。

 ただし、相続発生前の3年以内に贈与を受けた財産がある場合には、相続税の計算に含めて再計算(納付した贈与税は精算されます)をしなければならないほか、相続時精算課税制度を選択して贈与したものについても相続税での精算が必要となりますのでご留意下さい。

 そもそも、相続税とは被相続人の死亡を原因として財産が移転するものについて課税されるのに対し、贈与税は死亡を原因としない財産の移転について課税されるものです。

 例えば、同じように子供に対して財産が移転する場合であっても、生前に移転するのであれば贈与税が、相続によって相続人である子供に移転するものであれば相続税が生じるわけです。

 仮に、相続税だけがあって贈与税がないとすると、全ての財産を生前に配偶者や子供に贈与してしまえば、何も課税が生じないこととなります。

 つまり、相続税と贈与税の2つが存在することによって、財産の移転に対して網羅的に課税することができる仕組みとなっているのです。

 とはいえ、相続税と贈与税は同条件で課税されるものではありません。

  現行の制度では、相続税・贈与税のいずれも10%~50%の累進税率によって税金が計算されますが、最低税率の10%が課される財産の額は、相続税が1000万円以下であるのに対して贈与税では200万円以下となります。

 また、最高税率の50%が課される財産の額は、相続税が3億円超であるのに対して贈与税は1000万円超と差が大きいため、贈与で多額の財産移転を図ると、重い税金の負担が生じる可能性があります。

 そのほか、配偶者控除や各種特例等でも、相続税は贈与税に比べて充実していますから、一般的に贈与税の負担は相続税よりも大きいと言われます。

 一方、相続税は相続の発生時点のみ(一生に一回)しか課税関係が生じませんが、贈与は暦年で課税されますので毎年の対策が可能です。

 相続税と贈与税の関係を知って頂くにあたっては、これらの違いについても改めてご確認頂ければと存じます。

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