
7月も半ばです。梅雨明け前にもかかわらず猛暑が続いていましたが、先週は突如としての雷雨に見舞われ、通勤時間帯の都心は大パニック。
その後少し気温は落ち着いたのですが、今度は台風で、梅雨なのか、真夏なのか季節がわからなくなっていますね。
東京都が既存の賃貸住宅への補助金を発表

さて、先週の日経新聞にこんな記事が出ていました。
「賃貸住宅の断熱改修促進 都脱炭素へ 30年に100万戸目標」
東京都が脱炭素を目指し、既存の賃貸住宅の断熱改修に補助金を支給し、2030年度までの5年間で、賃貸住宅100万戸の改修を目指すというものです。
日本のCO2排出量は毎年10億トンを超え、世界で5番目に排出量が多い国です。特に東京都の排出量は2022年度の時点で5,191万トンにものぼります。
そして、そのうち約3割は家庭から排出されているとのことです。
すでに、すべての新築建築物に、4月より省エネ基準適合が義務化され、さらに東京都では、一定規模以上の事業者には、新築住宅に太陽光設置も義務化されています。
しかし、東京都内においては総戸数の約半分が既存の賃貸住宅であることから、既存の賃貸住宅の断熱改修に着手したということです。
1戸あたりの上限30万円など、賃借人のニーズと合致する取組み

2025年の6月より、断熱改修に詳しい民間事業者を「コンシェルジュ」に任命する制度を確立。
そのコンシェルジュが賃貸住宅を所有しているオーナーに対し、改修前の相談や断熱改修の提案などをおこなうものです。
賃貸住宅のオーナーとは、区分所有の1戸を所有しているオーナーは対象外で、あくまで1棟を所有しているオーナーに限られます。
またオーナーが東京都に居住していなくても対象となり、都内にある1棟ごとにコンシェルジュの支援を受けることができます。
断熱窓の場合では、3万戸を対象に経費の2/3を助成し、上限を1戸あたり30万円とするなどです。
東京都の25年度の予算で199億円を計上しています。
とてもいいことだと思います。
温暖化が叫ばれる中、これだけの猛暑を乗り切るためには、冷房の利用は不可欠です。
しかし、どんなに冷房を効かしても建物自体の断熱性能が悪ければ、電気代がかかるだけで、無駄になってしまいます。
オーナー負担ですが、断熱性能が高い賃貸住宅は、それだけ光熱費が抑えられるわけですから、賃借人のニーズにも合致し、競争力も高まるという好循環も生みます。
浸透することを祈ります。
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