
いつもは5月になると半袖が目立つようになるのですが、肌寒い日が続き、週末はまたも雨。これで10週連続だそうです。6月に入り、気温も上昇し、30度超える地域もあるとのことです。
体調にはくれぐれもご注意を。
「リースバック」とは。「リバースモーゲージ」との違い

さて、先日国民生活センターからこんな発表がありました。
住宅の「リースバック」に関するトラブル相談件数の増加です。
「リースバック」とは、自宅(マンションや戸建住宅)を売却する契約と同時に、その不動産の賃貸借契約を結んで、その後は家賃を払いながら同じ家に住み続けるという方法です。
一昔前に流行った自宅を担保にお金を借りる「リバースモーゲージ」と混同しやすいのですが、「リバースモーゲージ」は、所有権はそのままですが担保評価が厳しく、低額しか借りられないというデメリットがあるのに比べ、「リースバック」は、売却するわけですから、高額となるのが魅力です。
一般的には、マンションなどを先に売却し、土地を購入して家を建てるなどの住み替えなどで、建物が完成するまで6か月間だけ、マンションの買主さんと賃貸借契約をして完成まで住み続けるなどがリースバックの主流でした。
ところが、先に述べた「リバースモーゲージ」が使い勝手が悪いということで最近、高齢者を中心に業者に不動産を売却し、売却益を生活費に充てながら、買取り業者と賃貸借契約をし、住み続けるという「リースバック」が大きなトラブルになっているとのことです。
「リースバック」のデメリットが浮き彫りに。

どんな問題が起こっているのでしょうか。
まず「リースバック」を前提に買取りを行う業者は、通常の売買価格よりも安くなること、そして賃貸借契約の賃料設定が逆に高くなってしまうことが問題です。
本来、3000万円で売却できる自宅が、2500万円の買取り価格に抑えられ、賃料も15万円と割高に設定されれば、年間180万円の賃料支払いとなり、13年も住み続ければあっという間に2500万円はなくなってしまいます。
一方、買取り業者は年間180万円の収入となり、2500万円で購入できたわけですから、表面利回りで7.2%の物件を購入できたわけです。
このビジネスモデルに、高齢者は、老後の資金が足りないから、目の前のお金が欲しい、かつ今の家には死ぬまで住み続けたいという願いから飛びついてしまうわけです。
現に相談者の実に約7割が70歳以上だとのこと。
トラブル内容としては、一生住み続けられる、高額なお金が手に入るなど、メリットの押し売り的な強引な営業手法や、解約しようと思っても、クーリングオフの対象にならず、違約金の支払いが発生する、賃料の支払いが滞ると強制退去させられるなど様々だそうです。
こうしたトラブルに、国土交通省では、住宅のリースバックに関するガイドブックを策定しています。参考にしてください。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001489269.pdf
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