
一雨ごとに気温が下がり、すっかり秋の気配となりました。
街では先週までのように半袖姿の方はいなくなり、コート姿の人もいます。これからはどんどん秋が深まり、年末へと時は進んでいきます。
さて、建築費の上昇が止まりません。建築資材の高騰もそうですが、ここへきて人件費の上昇が加速させています。
共有型2世帯住宅 40坪ほどで6000万円は妥当?

先日、こんな相談がありました。
木造2階建て、玄関、水回りなどは共有の2世帯住宅を40坪程度で検討しているのですが、ハウスメーカーに行ったら概算で6000万円と言われました。訂正な価格なのでしょうか。
希望予算は4000万円とのことで、自己資金1000万円、住宅ローン3000万円を予定しており、年収は650万円とのことでした。年齢は42歳。建て替えで、ご家族構成は、母親とご夫婦、お子さん2人の5人家族とのことです。
ハウスメーカーで検討するなら、中堅どころでも今や坪単価は100万円をゆうに超え、建築費だけで4500万円。さらに屋外の給排水、電気、ガス工事、設計料、外構工事、空調工事費、解体工事などの付帯工事と、その消費税を合わせれば、6000万円を超えてしまいます。
仮に工務店で検討しても、坪単価は80万円以上。建築工事費は3500万円でおさまりますが、その他の工事費はハウスメーカーといっしょですから総建築費が5000万円程度はかかる計算となります。
延床面積の縮小と住宅ローンの上乗せを検討することを奨めました。
住宅の総建築費は坪150万円時代に!

また、同業者である不動産会社にも相談を受けました。都心の15坪を購入し、テナントビルを計画しているのですが、建築費はどの程度かかるかというものです。
防火地域内で、耐火建築物の4階建て、鉄骨ビルです。収益物ですからなるべく安く建てなければなりません。複数の工務店に概算をとると、10坪の4階建てで延べ床40坪、8500万円から9000万円の回答でした。坪200万円以上です。
都心ですから、大幅に賃料を上げれば何とか採算がとれるとのことで計画自体はすすめることになりましたが、前途多難ですね。
今や、総建築費は住宅で坪150万円時代。コロナ前の坪100万円時代から1.5倍となりました。土地単価も上昇しているので、土地を購入して注文住宅を建てるという一次取得者は、一部の富裕層を除いて激減し、建替え層にもその減少の波は、押し寄せています。
国土交通省の住宅着工件数を見れば一目瞭然で、今年に入り注文住宅は前年度比10%から30%の着工減少、採算が合わないので分譲住宅も同様です。
賃金の上昇が、物価上昇を大幅に上回らない限り、一般の人にとって、注文住宅だけでなくマンションや建売住宅も含めて住宅購入は、しばらくの間、高嶺の花状態が続きます。
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