相続解決事例8 リバース・モーゲージを利用した場合、税金はどうなりますか?

相談リバース・モーゲージを利用した場合、税金はどうなりますか?
現在、年金で生計を立てており、戸建てのマイホームに1人で住んでいます。年金だけでの生活は、不測の事態が起きた時に対する不安があります。最近、金融機関の方からリバース・モーゲージについての説明を受け、利用を検討し始めたのですが、税金についてはどのようになるのでしょうか?
解決案

相続発生時点に、担保不動産から借入金を控除した価額から相続税が計算されます。不動産を売却して返済に充てる場合、含み益があれば譲渡所得税が発生しますが、まずはリバース・モーゲージを利用する場合の諸リスクを十分に検討することが重要です。

リバース・モーゲージとは、持ち家など自分が保有している不動産(土地+建物)を担保にして、一括または年金の形で毎月の生活資金の融資を受け、契約満期時、または本人が死亡等した時点で、この担保不動産を売却して一括返済する制度をいいます。子どもがいないご夫婦など、死後に家が不要になるような世帯が、ゆとりある老後生活のために現金を借りるために適した制度とも言えます。

通常の住宅ローンは借り入れ後に返済を行うため借入残高が年々減少していくのに比べ、死亡時などに初めて返済となるリバース・モーゲージは、借入残高が年々増加していくのが特徴です。借入は一般的に担保にした土地価額の50%を上限とし、必要な金額の融資を受けながらそれに伴う利息を積み上げていくシステムになっています。

マイホームを売却または賃貸に出すことなく、住み慣れた自宅を手放さずに住みながら、老後の生活資金を受け取れるというメリットがあります。

その反面、リバース・モーゲージを利用する際には、マイホームの宅地の地価下落や金利上昇に伴う担保割れリスク、さらに長生きリスクを考慮しておく必要があります。もし市況が悪化して銀行が担保不動産の評価額を引き下げれば、借入残高を下回る「担保割れ」になり、差額分の返済を銀行から求められるリスクが発生します。また、想定以上に長生きをした場合も、思っていたよりも早くに借入限度額に達してしまう可能性があります。

取扱い金融機関もまだまだ限られてはいますので、ライフプランを考慮した上で、事前確認だけはしっかりしておきたいものです。なお、リバース・モーゲージ利用の際には、相続発生時に担保不動産の売却について、相続人から異議がでないように、推定相続人全員の同意が必要になってきます。

これを踏まえた上で、リバース・モーゲージを利用する方(被相続人)に、相続が発生した場合の基本的な課税関係を、考えていきたいと思います。

  • ポイント1担保不動産および借入金は、相続財産となります

    相続発生時点(融資期間終了時)においては、担保不動産および借入金は被相続人に帰属することになりますので、相続財産となります。
    つまり担保不動産の相続税評価額から借入金の累積額を控除した価額が、相続税の計算対象になります。

  • ポイント2相続人への課税関係

    当該財産を相続により承継した相続人が、担保不動産を売却して借入金を返済することになります。この場合の課税関係ですが、担保不動産に含み益がある場合は、譲渡所得税がかかります。

    相続により引き継いだ不動産については、取得価額と取得時期を引き継ぐことになりますので、その上で、譲渡所得を計算します。仮に相続税の納税額がでた場合、相続税の申告期限から3年以内の譲渡に該当することになるはずですので、取得費加算の適用が受けられます。

    さらに、居住用不動産の3,000万円特別控除や、長期譲渡所得の軽減税率の適用を受けることができるか否かが、問題になってきます。これについては、相続人が自分で住んでいたマイホームを売却するわけではないため、3,000万円特別控除や長期譲渡所得の軽減税利率の適用を受けることはできません。

専門家のアドバイス

専門家のアドバイス

リバース・モーゲージについては金融機関等により取扱いが異なります。相続人が担保不動産を売却せずに、借入金を返済していく方法もとれます。

どちらにしてもリバース・モーゲージの利用には相続人の同意が必須条件になりますから、取り扱い金融機関の比較とともに、十分に事前相談をなさってご検討いただくと良いでしょう。リスクを考慮して、借入額も慎重にご検討ください。


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