相続解決事例9 親に借地権がある底地を、代わりに買い取りたいと思っています

相談親に借地権がある底地を、代わりに買い取りたいと思っています
父は長年、借地に家を建てて住んでいますが、この度、地主さんからその底地を買い取ってくれないか、という申し出がありました。父と長男である私が相談した結果、いずれはこの土地は私が相続する予定なので、私が底地を買い取ることになりました。今後は、父からは地代などはもらわないつもりですが、課税関係で何か注意することはありますか?
解決案

底地を子が買ったあと地代を親に請求しない場合、借地権が子に移ったということで、親から子へ借地権の贈与があったという認定がされ、贈与税が課税されてしまいます。

よくあるケースだと思いますが、注意点があります。底地を子が買うのはいいのですが、その後地代をもらわないということは、その時点で借地権がなくなった、と税務上は解釈します。借地権は土地の60%や70%など、それなりの価額になりますので、多額の贈与税が後で認定課税されてしまう可能性があります。

借地権とは、そもそもどのような価値なのかというと、支払っている地代以上の利益を貨幣額で表示したものが借地の価値(借地権価格)となります。借地上に建物が存在する限り、借地人は土地所有者に正当な理由がある場合を除き、半永久的に契約更新ができる権利を持っています。地代さえ支払っていれば、契約の範囲内とはいえ、その土地を所有しているのと同等の利益を受けることができると考えられます。

また、借地借家法の保護によって借地の地代は値上げが抑制されているため、いわゆる「借り得」といわれる部分が発生しています。新しくその土地を借りようとするときの価格よりも、古くから借り受けている借地は地代が低く抑えられている場合が多いからです。このような利益が、経済的価値として借地権価格を構成しています。

それでは、どのようにすれば借地権に関する贈与税が発生しないようにできるのかを見てみましょう。

  • ポイント1地代を子に支払う

    多額の贈与税の発生を避けるためには、親が子に地代を支払う方法は最もシンプルですね。
    なお、借地権は親の財産ということになりますので、当然、相続の際には相続財産となってきます。

    借地権の相続評価額の計算方法は、更地として仮定した自用地としての評価額に、借地権割合をかけて求めます。 自用地としての評価額は、市街化地域の宅地の場合は路線価に対して土地の形状や道路付等の状況を加味した評価額となります。

    借地権の評価額が5,000万円で、借地権割合が60%だった場合、3,000万円が相続評価額となります。借地権割合は路線価図に記載されている割合のことで、国税庁のホームページで閲覧できます。

  • ポイント2地代は払わず、借地権に変更がない旨の届け出を行う

    地代を支払わない場合には、税務署に「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」という書類を、親と子の連名で提出します。この申出書を出しておくことにより、借地権は相変わらず親が所有していることが明確になり、贈与として取り扱わないことになっています。

    こちらの場合も、将来的には相続財産となります。

専門家のアドバイス

専門家のアドバイス

このように借地権が贈与と認定されないように注意をする必要があるのですが、借地権には必ず借地権価格があるというわけではありません。

大都市やその近郊のように、土地が不足している地域では、対価を支払ってでも土地を借りたいという需要があるため価値が高いとされますが、土地が余っているような郊外ではそのような需要がないため、借地権はあっても借地権価格は存在しない、もしくは低いという可能性も考えられます。事前に専門家の判断を仰ぎながら、最良の方法で進めていただければと思います。


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