よくある相続・贈与のお悩み6 遺贈や贈与と相続財産との関係は?

よくあるお悩みQ.遺贈や贈与と相続財産との関係は?

姉は自宅を購入する際に、亡くなった父から頭金1,000万円を贈与してもらっていたのですが、父の財産を妹の私と半分ずつ相続すると言っています。
不公平ではないでしょうか?


解説A.特別受益にあたる遺贈や贈与があった場合
相続財産とみなして価額を加算。
その上で相続分を算出することが可能です。

共同相続人の中に、被相続人から遺贈や贈与を受けた者がいる場合、これを考慮せずに法定相続分で相続財産を分配すると不公平になるので、これを是正するために特別受益という制度が設けられています。

特別受益に該当する贈与とは

被相続人の生前贈与がすべて特別受益に該当するわけではなく、「婚姻もしくは養子縁組のため、もしくは生計の資本として」の贈与が当別受益に該当するとされています。

ただし、贈与が上記に該当するのかどうか一律に決めるのは難しい側面があり、被相続人の資産・収入、社会的地位、その当時の社会通念を考慮して個別に判断すべきものとされています。

住宅取得資金の贈与や自宅を建ててもらったような場合は「生計の資本としての贈与」と認定されるケースがほとんどだと思われます。

具体的計算例

【相続財産1億円】

具体的計算例

(1)特別受益に該当する贈与の額を相続財産に加算
1億円+1,000万円=1億1,000万円

(2)法定相続分を算出
1億1,000万円×1/2=5,500万円

(3)相続人Aの相続分から贈与を受けた額を控除
5,500万円-1,000万円=4,500万円

Aの相続分:4,500万円
Bの相続分:5,500万円

寄与分制度

共同相続人の中に、被相続人の事業に関する労務の提供または財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により、被相続人の財産の維持または増加に貢献した者がいる場合、これを考慮せずに法定相続分で相続財産を分配すると不公平な結果となりますので、これを是正するために設けられているのが寄与分制度です。

特別受益精度とは対極にある制度ですが、どちらも相続人間の公平を図るという趣旨は同じです。

寄与分は原則として相続人間の協議で決めるのですが、この協議が調わないときは家庭裁判所に申立をして寄与分を定めることになります。

一般に、親子間等で通常行う程度の看護等の貢献では寄与分は認められず、「被相続人の財産の維持または増加に貢献」するような特別の寄与が必要となりますので注意が必要です。

(参照・参考:もみき法務事務所)
関連記事
無料個別相談