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免震・制振装置でデータ改ざんが発覚!
(2018.11.03)

安定した秋晴れの日が続いています。まさに秋真っ只中ですね。日中はそうでもないのですが、朝起きた時は寒さに夏布団にくるまっています。布団も衣類ももう衣替えというところでしょうか。

 

 

さて、免震や制振ダンパー国内最大手のKYB(カヤバシステムマシナリー)で改ざん行為が発覚しました。国内トップシェアの企業です。

改ざんが発覚したのは、全国の住宅や庁舎などで利用されている免震装置や制振装置の検査データで、少なくとも 986件で使われた可能性があるとのことです。スカイツリーも免震システムとして使っています。

 

免震・制振(制震)・耐震の違いはということをよくお客様に聞かれますので、少し解説します。

 

以前の建物は、震度7程度の地震がきても倒壊しないレベルまで、建物の強度を強固にしていました。これが耐震です。

しかしながら、建物は倒壊しなくても建物の中は揺れにより家具などが転倒し住んでいる人にとっては必ずしも安全ではありません。そこで開発されたのが免震と制振という考え方です。

 

免震建物とは、一般的に基礎と建物の間に免震ゴムなどを装着し、建物に地震の揺れを伝えにくくするものをいい、制振建物とは一般的に外壁に制振ダンパーを装着し、同様に地震の揺れを軽減させるものです。

一般的な住宅でもハウスメーカーさんなどは壁に制振装置を標準装着し、制振住宅として販売しているものもあります。

 

 

今回のデータ改ざんは、使用している免震ゴムや制振ダンパーの基準値が大きく異なっているにもかかわらず、データ改ざんを行ったというものです。

しかもデータが存在するのは2003年以降のものしかなく、それ以前にも及ぶのではないかということで、2005年に発覚した姉歯偽装事件などよりもっと前から行っていたことは本当にびっくりしました。

 

その後の東洋ゴムの免震偽装や、旭化成子会社の杭打ち偽装などが発覚しても自分のところは大丈夫だろうかと意識が変わらなかったのでしょうか。それとも建築のみならず、みんなやっているのだから大丈夫と、高をくくっていたのでしょうか。

 

 

いずれにしても、免震・制振を謳う高層マンションなどは、疑心暗鬼で価格が落ちることも予想され、今後の不動産流通に大きな影響が出そうです。

 

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