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自宅隣地の購入に息子は前向きだが、老後資金から自分は購入に不安。老後資金に問題なく購入する方法はあるか。

相談内容

隣地が売りに出された。かなり高額であるが自宅と併せると資産価値が上がりそう。 住宅ローン金額残と残年数も10年以上残っているが購入したほうが良いか。また購入する場合に誰がどのような目的で購入するべきか教えてほしい。

現状

・相談者H様の家族構成
相談者67歳、奥様69歳、長男42歳、次男40歳、長女37歳

・自宅:板橋区敷地35坪に築15年の2階建て、奥様と2人で在住。施工は地元工務店。

・長男:H様近隣の賃貸に住んでいて奥様と子供2人の4人家族。

・次男:仕事の関係で関西にマンション所有。3人家族。

・長女:嫁いでおり八王子市内のご主人様所有の土地に築3年戸建てにお住まい。

・相談者はローン残債2,200万円。金融資産(ほぼ預金)は3,500万円所有。
よってローン返済は可能だが年齢がネックとなる。

・対象の隣地敷地は25坪。
販売価格:築50年超えた中古建物付き6,000万円で打診された。

確認事項

1.購入を検討する親族はいるのか。どのような用途で利用する予定なのか。
【結果】
長男が興味を示しているが次男のほうも投資目的で考えても良いと言っている。 長男が購入する場合には自宅として。次男は賃貸住宅経営の検討。長女は金銭的にも余裕がないため購入は検討できず。
2.購入した場合
現状は、築50年で4LDK、耐震基準も満たしていないため現況のままの利用は難しい。建替えとリフォームした場合の費用はいくら掛かるか。また賃貸住宅に建替えをした場合の収支計画が成り立つか。
【結果】
  • ・リフォーム費用は2,500万円を超える想定
    耐震基準が満たされていないこと、間取りも大幅に変更しなければならないことや外壁・屋根の葺き替えも必須であるため。
  • ・自宅は築15年という点を鑑みると取り壊すことは現実的ではなく、隣地のみの建替えが有効であると判断。
    賃貸住宅に建替えた場合には、ターゲット層や間取りなども近隣データから調査を行い収支計画が成り立つかを判断しなければならない点をご説明。
3.資金計画の確認 ※今回掛けられる予算のヒアリング
土地購入の費用として6,300万円(諸費用含む)それ以外の建築費について各々に確認。
【結果】
長男はリフォームであれば2,000万円。新築ならば3,500万円程度が上限の予算と考えている。長男の自己資金は1,500万円。
次男は投資目的であるため利回りや将来性を考えて成立しそうかが焦点。次男はマンション購入したローン残があることからローンを組むことが難しいかもしれない。
4.将来の相続の考え方についてヒアリング
自宅以外に不動産を所有していないためH様の自宅が不動産の資産となる。ただし今回は、隣地の購入を検討しているため、不動産資産が自宅と隣地の2つとなる。
長男が隣地を購入した場合に、自宅も長男に譲るということになると将来揉める可能性があるため、現状でH様の意向やご子息の意思を確認することが必要。
【結果】
H様は将来自分が住んでいる不動産を売却して老後資金に回すか長男と次男に均等に不動産を分割したいと考えている。 そこで、次男に自身の不動産を引き継ぐ意志があるかを確認。将来相続となった場合に、次男が関西に住み続けるのであれば長男に引き継ぎ、次男と長女には金収資産を渡す旨を伝えて了承を得る。

確認事項を踏まえたご提案

1 リフォームをした場合の概算リフォーム金額を取得
想定通り2,500万円の概算見積となった。
2 長男が購入して建替えをした場合の概算見積を取得
コストパフォーマンスの利く施工会社では3,000万円、大手ハウスメーカーでは4,000万円
3 賃貸経営を検討するうえで差別化のできる効率的な間取りを提示
27m2の単身型と40m2を超えたファミリー型と位置付けプランニングと概算資金計画書を取得したが3,500万円の見積りとなった。
4 各事業計画書付きの資料を金融機関に提示
長男が住宅ローンを組みリフォームか建替えをすることが円滑。
ちなみに次男は金融資産を所有していることからアパートローンを組むことも可能であることを確認。

コンサルティング結果

H様は隣地購入をしたいが自分が購入するのは資金調達が難しいことからご子息たちに相談し検討を促すということになった。長男、次男ともに興味を示したが資金的に長男が購入したほうが良いこと、また隣に住んでくれる安心感も得られることから購入を勧めた。
長男はH様の近隣の賃貸に住んでおり家賃も月々18万円以上支払っていることから不動産購入費用と建築費用含めた8000万円の住宅ローンを組んだ場合には月々20万円の返済となることがわかった。
長男夫婦も購入に積極的な姿勢であったため踏み切ることになったが築年数等を考慮した結果、リフォームではなく新築を選んだ。そこで購入の金額の中に解体を隣地売り主で負担いただくように交渉し了承を得た。
<将来的な相続発生時の取り決め>
・隣地の土地は次男夫婦が将来東京に戻るのであれば次男に引き継ぐ
・次男が戻らないのであれば長男に引き継ぐ
・金融資産は老後資金以外で余った場合には、不動産を引き継がなかったものに譲る。
将来発生する相続については、揉めないよう上記の取り決めを確認・各々に説明し理解を得ることで、将来の不安を取り除いたうえで計画を進めている。

担当者

栗原 浩文 

住宅コンサルタント

保有資格:ファイナンシャルプランナー

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