1ヶ月前に母親が亡くなり、同居していた一戸建てについて
相談者A様55歳男性は母親の介護も兼ねて3年前に母親所有の一戸建てに同居したが母親が認知症を発症したため1年前に高齢者施設に入所させたが、その母親が施設にて1か月前に亡くなった。
A様はお母様が所有していた住まいを引き継ぎ現在も住んでいるが、その家を売却すべきか活用したほうが良いのか判断に迷うため相談したい。
状況の整理
まずは現在の状況やご家族の資産などを整理することからはじめます。
・相続人と相続人各世帯の家族構成等を認識するため家系図を作成。
相続人3人
A様 55歳 単身
弟様 53歳 奥様と離婚し子供は息子2人
妹様 49歳 夫と2人娘の4人家族
相続人3人
A様 55歳 単身
弟様 53歳 奥様と離婚し子供は息子2人
妹様 49歳 夫と2人娘の4人家族
・母親の総資産を把握するため所有不動産の路線価評価額と実勢価格(近隣取引価格)を調査。
総資産 金融資産は約1,500万円。
お母様所有不動産 東京都品川区敷地30坪。建物は築52年経過している一戸建て住宅
路線価評価額は約5,000万円、実勢価格で7,500万円程度。
建物の評価は築年数経過していることからゼロ。
お母様所有不動産 東京都品川区敷地30坪。建物は築52年経過している一戸建て住宅
路線価評価額は約5,000万円、実勢価格で7,500万円程度。
建物の評価は築年数経過していることからゼロ。
・相続人全員の資産状況について確認
A様 金融資産(株式)で3,000万円所有
所有不動産なし
所有不動産なし
弟様 葛飾区のマンションを所有しており現在も次男と二人で在住。
500万円の金融資産があるが住宅ローンの残債が1,500万円ほど
500万円の金融資産があるが住宅ローンの残債が1,500万円ほど
妹はご主人所有の福岡市内の一戸建てに家族4人で在住。
・お母様の住まいの再利用希望について、A様と弟様、妹様それぞれより考えをヒアリング
A様 このまま母親所有の不動産を引き継ぎたいと考えている。
弟様 所有しているマンションから移住することは考えていない。
妹様 都内に来ることは考えていない。
A様 このまま母親所有の不動産を引き継ぎたいと考えている。
弟様 所有しているマンションから移住することは考えていない。
妹様 都内に来ることは考えていない。
お母様の財産分与について
お母様の不動産の活用法ということでご相談がありましたが、相続人3人の意見がまとまっておりA様が該当不動産を引き継ぐことに他の2人は異論がありませんでした。また妹様は九州在住でお母様の介護なども関われなかったという思いが強く相続を放棄するとのお話がありました。
よって財産分与は以下のようにまとまりました。
不動産(実家)はA様
金融資産1,500万円は弟様
不動産(実家)はA様
金融資産1,500万円は弟様
今回は金融資産より不動産評価額が高いため、代償分割として1,800万円の代償金をA様が弟様に支払うことで解決することができました。
ポイント:A様が土地を引き継ぐことで小規模宅地の評価減を利用し、相続税の納付も必要がなくなりました。
妹様が相続放棄するため相続開始から3か月以内の申請と10か月以内に遺産分割協議書の作成をすることをお伝えし現在は手続きを進めています。
妹様が相続放棄するため相続開始から3か月以内の申請と10か月以内に遺産分割協議書の作成をすることをお伝えし現在は手続きを進めています。
不動産の活用も視野に入れたご提案
建物の築年数が経過していることや現建物の面積がA様1人で使うには大きすぎる点からも相続関連が終わって落ち着いたら建替え計画に着手することになります。
立地要件が優れていて駅からの距離も近いため有効活用が図れるようでしたら賃貸を併用した住まいの検討も視野に入れた計画となりそうです。
コンサルタントの一言
兄弟仲が良く、もめずに相続の話し合いが上手くいったことでお母様所有の不動産を売却せず活用していくことができたことを3名様には評価していただきました。
土地の有効活用診断書を提出して周辺の家賃相場や間取りの需要と供給について解説したところ賃貸住宅の収益性を理解し、今後でてくる問題点をクリアしながら進めていくことで不安点を解消していくことになりそうです。