都心、高台、一種住専……。立地の特徴をめいっぱい活かして
都心のターミナル駅から徒歩圏内にあるT様・C様邸。
ここはお父様のT様とお嬢様のC様ご一家、三世代4人が暮らす家。住居と分ける形で、2階部分に賃貸住戸2戸を確保した賃貸併用住宅です。
第一種専用住居地域の制限をクリアして実現した唯一無二の〝家づくりストーリー〟をご紹介します。
都心のターミナル駅から徒歩圏内にあるT様・C様邸。
ここはお父様のT様とお嬢様のC様ご一家、三世代4人が暮らす家。住居と分ける形で、2階部分に賃貸住戸2戸を確保した賃貸併用住宅です。
第一種専用住居地域の制限をクリアして実現した唯一無二の〝家づくりストーリー〟をご紹介します。
建て替えへの想い
将来の相続税対策を念頭に、今できることに取り組みたい
父「この場所には、私が3歳の頃から住んでいます。今85歳だから、82年間ですね(笑)。引っ越したときの家は戦争で焼け、その後に建てた家もついに築57年になり、そろそろ建て替えを、となりました」
父「この場所には、私が3歳の頃から住んでいます。今85歳だから、82年間ですね(笑)。引っ越したときの家は戦争で焼け、その後に建てた家もついに築57年になり、そろそろ建て替えを、となりました」
写真1:都心部でありながら落ち着いた住宅街の一角に建つ賃貸併用住宅。1階にはお父様であるT様の居室が、2~3階には子世帯C様の居室と2世帯の共有空間がある。
娘「前の家は木造2階建てで、古くて使いづらくて。それに将来的な相続のことも気になっていました。母は一昨年に他界し、父も高齢。元気なうちになんとか手を打たなければと。当時から私の頭の中には、建て替えるなら賃貸併用住宅にして賃貸収入で建て替えの際の借金を返済できないだろうかという思いがありました。
ただ、同じ敷地内に親戚の大おばが住んでいる家があり、果たして建て替えができるのか、できるとしたらどれくらいの規模の建物になるのか、わからないことだらけの状態でした」
娘「前の家は木造2階建てで、古くて使いづらくて。それに将来的な相続のことも気になっていました。母は一昨年に他界し、父も高齢。元気なうちになんとか手を打たなければと。当時から私の頭の中には、建て替えるなら賃貸併用住宅にして賃貸収入で建て替えの際の借金を返済できないだろうかという思いがありました。
ただ、同じ敷地内に親戚の大おばが住んでいる家があり、果たして建て替えができるのか、できるとしたらどれくらいの規模の建物になるのか、わからないことだらけの状態でした」
写真2:自宅とは動線を完全に分離した賃貸住戸へのアプローチ。緩やかな曲線に添うように、季節の植物がたくさん植えられた。1階奥が大おば様の居室。2階には賃貸住戸2戸を配置。
ネクスト・アイズとの出会い
一気通貫でサポートしてくれるところを、やっと見つけた!
写真3:家づくりを笑顔で振り返ってくださった皆さま。左手前がお父様のT様、その隣がお嬢様のC様。後列のお二人はC様のお嬢様。
娘「建て替えについてはインターネットなどで自分なりに調べていましたが、家の完成までトータルにサポートしてくれる相談先が見つからなくて。個別に専門家をあたるのはこちらの負担が大きすぎるので、どうしたものかと思っていました。そんなとき、区報でネクスト・アイズが主催する「東京都空き家フォーラム」というセミナーを知って、参加してみました。セミナー後の個別相談会で、相続のことや土地の有効活用など、当時気になっていたことを話したところ、『まずは調査してみましょう』となって。それがスタートラインでしたね」
娘「建て替えについてはインターネットなどで自分なりに調べていましたが、家の完成までトータルにサポートしてくれる相談先が見つからなくて。個別に専門家をあたるのはこちらの負担が大きすぎるので、どうしたものかと思っていました。そんなとき、区報でネクスト・アイズが主催する「東京都空き家フォーラム」というセミナーを知って、参加してみました。セミナー後の個別相談会で、相続のことや土地の有効活用など、当時気になっていたことを話したところ、『まずは調査してみましょう』となって。それがスタートラインでしたね」
ネクスト・アイズに求めたこと
賃貸経営をするなら3月完成はマスト! そのための工程管理をしてほしい
写真4:「自分が家を建てることなんて一生ないと思っていました」と話すお嬢様。その隣でお父様は「森下さんがいてよかったよ。俺に聞かれても『知らねえ』っていうだけだから」と笑顔。竣工早々入居者が決まり、順調なスタートを切ることができた。
娘「市場調査の結果、このエリアなら収益性が確保できるということでした。それならばと有料コンサルを申し込み、ネクスト・アイズの森下さんのセッティングで同月中にハウスメーカー4社にコンペをお願いしました。それが5月。空き家フォーラムに参加したのが3月なので、結構、駆け足です(笑)。やはり賃貸経営をするなら翌年3月には完成したほうがいいというアドバイスもあり、森下さんには引き渡しまでのスケジュールを立てていただき、完成に向けて着実に進めていくことにしました。」
娘「市場調査の結果、このエリアなら収益性が確保できるということでした。それならばと有料コンサルを申し込み、ネクスト・アイズの森下さんのセッティングで同月中にハウスメーカー4社にコンペをお願いしました。それが5月。空き家フォーラムに参加したのが3月なので、結構、駆け足です(笑)。やはり賃貸経営をするなら翌年3月には完成したほうがいいというアドバイスもあり、森下さんには引き渡しまでのスケジュールを立てていただき、完成に向けて着実に進めていくことにしました。」
写真5・6:左は、1階の玄関から奥を見たところ。将来に備え、車椅子での移動が楽にできるように自宅内部は段差が解消されている。右は、同じく1階の日当たりのよい南東の角に設けられたお父様の居室。掃き出し窓の外には、自宅の庭がある。
娘「各社にコンペをお願いするうえで要望として出したのは、土地の容積率・建ぺい率をフルに使ってほしいこと、私と娘二人の部屋はコンパクトで構わないので父の部屋と賃貸住戸にスペースを広く使ってほしいこと、大叔母が暮らす併設の居住空間を用意してほしいということです。」
娘「各社にコンペをお願いするうえで要望として出したのは、土地の容積率・建ぺい率をフルに使ってほしいこと、私と娘二人の部屋はコンパクトで構わないので父の部屋と賃貸住戸にスペースを広く使ってほしいこと、大叔母が暮らす併設の居住空間を用意してほしいということです。」
写真7:自宅の庭にも植物がいっぱい。「殺風景にならないように」との想いから、竣工と同時に外構工事も完成するようスケジュールが組まれた。なお、外構工事は建築会社マターではなく、ネクスト・アイズからの分離発注とし、工事費用を軽減した。
娘「また、ネクスト・アイズの市場調査を踏まえて賃貸住戸は30~40㎡の1LDKにして、自宅と賃貸の動線を明確に分けたいこともお伝えしました。それでも出てきたプランは各社各様で、それぞれ違っていたのが興味深かったです」
娘「また、ネクスト・アイズの市場調査を踏まえて賃貸住戸は30~40㎡の1LDKにして、自宅と賃貸の動線を明確に分けたいこともお伝えしました。それでも出てきたプランは各社各様で、それぞれ違っていたのが興味深かったです」
積水ハウスに決めた理由
無理を言っても、考えてクリアしてくれる対応力が魅力
娘「4社のコンペから積水ハウスを選んだのは、プランが一番優れていたからです。賃貸エリアの間取りも広めに確保されていましたし、わが家のある界隈は建築制限が多い第一種低層住居専用地域ですが、その中で容積率をフルに使うために建物の一部を耐火構造にしたり、高さ制限内(10m)に収まるよう天井高を抑えつつ3階建てのプランにしたり、こちらの要望を丁寧にくんでくれていたのが好印象でした」
娘「4社のコンペから積水ハウスを選んだのは、プランが一番優れていたからです。賃貸エリアの間取りも広めに確保されていましたし、わが家のある界隈は建築制限が多い第一種低層住居専用地域ですが、その中で容積率をフルに使うために建物の一部を耐火構造にしたり、高さ制限内(10m)に収まるよう天井高を抑えつつ3階建てのプランにしたり、こちらの要望を丁寧にくんでくれていたのが好印象でした」
写真8:こちらは賃貸住戸。現状2戸ある部屋は、いずれも広めの1LDK。
娘「それとコンペ前には、眺望が期待できる自宅の3階にルーフバルコニーをつけたいという要望も出していたのですが、それもうまく初回プランに落とし込んでくれていて。ルーフバルコニーは絶対にほしかったので、ありがたかったです」
娘「それとコンペ前には、眺望が期待できる自宅の3階にルーフバルコニーをつけたいという要望も出していたのですが、それもうまく初回プランに落とし込んでくれていて。ルーフバルコニーは絶対にほしかったので、ありがたかったです」
建て替えを振り返って
コンサルタントの適切サポートで予定通りの進行へ
娘「ネクスト・アイズのセミナーに参加した1年後の今年3月、無事に建て替えが完了し、賃貸住戸2戸も当初の想定通り、すぐに借り手がつきました。途中、近隣の事情で建物の着工が少し遅れましたが、それ以外はほぼスケジュール通りに進み、完成した建物にはとても満足しています。今、新居で過ごせるのも、森下さんがきちんと工程管理をしてくれ、必要な判断材料を提示してくれたからこそ。こちらが判断に迷うことのないように、その時々で比較表をつくるなど行き届いた対応のおかげで、迷うことなく物事を決めていくことができました」
父「おかげで、いい家ができました。新しい家になって、今は食事のたびに自室がある1階とダイニングのある3階を階段で行き来しています。おかげで運動量が増え、体力維持に役立ちそうです(笑)」
娘「ネクスト・アイズのセミナーに参加した1年後の今年3月、無事に建て替えが完了し、賃貸住戸2戸も当初の想定通り、すぐに借り手がつきました。途中、近隣の事情で建物の着工が少し遅れましたが、それ以外はほぼスケジュール通りに進み、完成した建物にはとても満足しています。今、新居で過ごせるのも、森下さんがきちんと工程管理をしてくれ、必要な判断材料を提示してくれたからこそ。こちらが判断に迷うことのないように、その時々で比較表をつくるなど行き届いた対応のおかげで、迷うことなく物事を決めていくことができました」
父「おかげで、いい家ができました。新しい家になって、今は食事のたびに自室がある1階とダイニングのある3階を階段で行き来しています。おかげで運動量が増え、体力維持に役立ちそうです(笑)」
写真9:自宅3階のルーフバルコニー。眼下には近くの神社の緑が豊かに広がる。
娘「私は早朝ルーフバルコニーに出てハンギングチェアに座り、その日の天候を感じるひとときが気に入っています。子どもたちは夜ランタンを灯して外で過ごしたりしています。個室が狭い分、ダイニングと一体で使えるルーフバルコニーの存在は貴重。これからも楽しみながら活用していきたいと思っています」
娘「私は早朝ルーフバルコニーに出てハンギングチェアに座り、その日の天候を感じるひとときが気に入っています。子どもたちは夜ランタンを灯して外で過ごしたりしています。個室が狭い分、ダイニングと一体で使えるルーフバルコニーの存在は貴重。これからも楽しみながら活用していきたいと思っています」
"コンサルタントの目" その時々の明快な決断力と提案力が 満足のいく建物につながった
ネクスト・アイズ 森下 明
「C様が当社に望んだのは、賃貸併用住宅に建て替えるにあたっての収支計画と将来の相続計画を含めたアドバイス、そして翌年3月の引き渡しを見据えたスケジュール管理でした。そこでアクセスのよい都心立地の魅力を最大限に活かすため、まずは当社が独自で市場調査を行い、コンペに参加する各社に提示する基本的な要望をまとめました。その後も、契約会社の決定、解体、着工と以後もタイトなスケジュールでしたが、C様の決断力と積水ハウスの柔軟な提案力がうまく噛み合い、素晴らしいものができたと思っています。」
「C様が当社に望んだのは、賃貸併用住宅に建て替えるにあたっての収支計画と将来の相続計画を含めたアドバイス、そして翌年3月の引き渡しを見据えたスケジュール管理でした。そこでアクセスのよい都心立地の魅力を最大限に活かすため、まずは当社が独自で市場調査を行い、コンペに参加する各社に提示する基本的な要望をまとめました。その後も、契約会社の決定、解体、着工と以後もタイトなスケジュールでしたが、C様の決断力と積水ハウスの柔軟な提案力がうまく噛み合い、素晴らしいものができたと思っています。」
”建築会社からのメッセージ” 心がけたのは、一歩先を見据えた柔軟かつ確実なご提案
積水ハウス 湯浅敏昭さん
「容積率をフルに活用して十分な賃貸面積を確保した賃貸併用住宅を建てるために、まず重要なのはファイナンスです。そこで当社では、最初にコンペのお話をいただいたとき、想定賃料を自分で決めて銀行に相談し、ローンが成立することを確認したうえで具体的に収益性の高いプランを考えていきました。また本来、準耐火造でよい建物の一部(避難通路と賃貸部分)をより安全性の高い耐火造にしたことで、結果的に賃貸面積を増やすことができたのもよかった点です。気に入っていただけて光栄です。」
「容積率をフルに活用して十分な賃貸面積を確保した賃貸併用住宅を建てるために、まず重要なのはファイナンスです。そこで当社では、最初にコンペのお話をいただいたとき、想定賃料を自分で決めて銀行に相談し、ローンが成立することを確認したうえで具体的に収益性の高いプランを考えていきました。また本来、準耐火造でよい建物の一部(避難通路と賃貸部分)をより安全性の高い耐火造にしたことで、結果的に賃貸面積を増やすことができたのもよかった点です。気に入っていただけて光栄です。」
取材・原稿 冨部 志保子さん
撮影 杉浦 章浩さん
撮影 杉浦 章浩さん