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78歳母親の戸建てを活用か売却か、相続対策も含め敷地を分割し2棟の賃貸経営を選択。

自宅の活用方法について「売却」か「活用」か悩んでいる

母親は高齢で自分から施設に入ることを決めた。空き家になってしまうため相続対策も考えこの不動産を売却すべきか活用するか悩んでいる。
母親が自分自身でこの不動産についての今後を判断できるパターンを複数、提案してほしい。
<対象物件>
築35年の母親所有の一戸建て住宅
土地は80坪

家族構成

相談者:長男・長女
対象不動産所有者:母親
相続人:長男52歳と長女50歳の2名

ご相談者や相続人の資産状況を整理

まずは、相談者と相続人の資産状況を整理しました。
・母親:金融資産で約3,000万円、不動産の路線価評価は約5,000万円。他の資産はなし。
*総資産は約8,000万円のため相続税対策をしなければ納税の可能性が高いことが判った。
・長男:築10年のマンションを所有。残債は4,000万円程度ある。
    金融資産で3,000万円程度。ご家族は奥様とご子息2名の4名家族。
・長女:ご主人様の実家である大阪市に住んでいる。ご主人様の実家と2世帯住宅。
    本人の不動産資産はないが有価証券などの金融資産が700万円程度有る。
    子供が3人いるがご主人の実家も資産がある。

不動産についてそれぞれのご意向を確認

不動産についてそれぞれの意向を確認したところ、3人とも「売却」は考えていないことが分りました。
 お母様:近い将来施設に入所したい。兄弟でもめずに分割できることを望んでいる。
 長男:対象地に移住することは今のところ考えていない。でも売却することは避けたい。
 長女:長男同様、売却は反対。ただ、資産を全て長男が相続するのは公平感がないと考えている。

「維持管理」「賃貸住宅」の2択でご提案

・母親、長男、長女ともに当不動産を売却することに反対していることから、「売却」した場合にいくらで売れて譲渡税を差し引いた手取り金額がいくらになるかを参考資料として提示。
・売却しないと決断した場合には、「このまま維持管理」か、建替えて収益を得る「賃貸住宅」を建てるかという2択になるため、それぞれを選択した場合の判断材料を提示し方向性を確認しました。
お母様は相続税を考えて対策をすることに積極的な考えをお持ちでしたので維持管理ではなく有効活用案を提示してほしいとの依頼がありました。
人気の沿線で駅徒歩8分という立地要件を備えていることから有効活用用地としては申し分ないことが明確でした。

有効活用として「賃貸住宅」について

将来的に土地を長男と長女に分割することを考慮して2案を提示いたしました。
A:40坪ずつの土地それぞれに賃貸住宅を建築
1棟は単身者向けの軽量鉄骨アパートとして全6戸、もう1棟は木造のファミリーを対象とした45㎡を2戸とする計画。
総工費 11,000万円
ローンの返済額や固定資産税費用、管理費などを除いた賃料収入の手残りは月々45~50万円程度
B:80坪の敷地に対して目一杯建てる
鉄骨3階建てとし45㎡の1LDKを全8戸とする計画。
総工費 14,000万円
ローンの返済額や固定資産税費用、管理費などを除いた手残りは月々55~60万円

分割した2棟プランか収益性を考えたプラン

収益性を重んじた場合には80坪に一棟を建てた方が良いことは一目瞭然でありましたが、将来の相続のわずらわしさを回避する目的で敷地を事前に分割して2棟建てることを選択しました。
ハウスメーカー3社から提案プランと見積を確認し、建築予算もほぼ想定内。賃料査定を組み込んだ事業計画書を作成しました。

コンサルタントの声

将来、相続が起こった際に土地建物と金融資産も均等に分けられことで、お母様と兄妹との話し合いも上手くまとまりました。母親所有の土地建物Aを長男がBを長女が得ることになり、遺言書作成もご提案しました。 売却すればそれなりの資金が得られたのですが、土地を売却したくないという3人の思いが一致し、手間を掛けるならばお母様が元気なうちに計画を実現したいという希望が叶った事例となりました。

費用

・賃貸経営コンサルティング ・・・請負金額の3%*①
・資金計画相談 ・・・①に含む
・遺言書作成費用 ・・・実費(10万円程度)

担当者

栗原 浩文 

住宅コンサルタント

保有資格:ファイナンシャルプランナー

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