お客様の声 東京都港区 S様邸

「都心に暮らしたい」「ガレージがついた家がほしい」「負債になる不動産は抱えたくない」

そのすべてに満点の回答を出すことは難しい。S様が出した答えは、
「都心の中古物件をリノベーションして暮らすこと」だ。

取材・文/大菅 力
撮影/渡辺 慎一
S様夫妻が家づくりを考えたのは2年前。夫婦でアウトドアを趣味としているが、マンションでは駐車場までの道具の運搬がストレスのもと。「1階がガレージの家なら気軽に出かけられる」。それでも都心にガレージハウスを新築するのは、土地取得から考えると莫大な費用がかかる。「これから家あまりの時代になるので、過大な投資はしたくない」。S様はそう考えた。

そこで選択したのが、中古物件のリノベーション。築年数が経過した建物は、更地より安く購入できる。その建物を活かせば最も廉価で理想の新居が得られる。そう考え、さっそく不動産巡りを開始。探している物件のイメージが明確であったため、「1階がガレージになった重量鉄骨の物件を不動産屋が探してくれた」という。重量鉄骨は柱や梁だけで耐震性をもたせるつくりなので、フレームのなかの間取りは自由。すぐにこの物件を気に入り、購入する。そして、リフォーム会社を探すことになった。

■「分からないことだらけ」なのが分かった

インターネットや雑誌で情報収集をしつつ、ハウスメーカーやリフォーム会社とも接点をもちはじめたS様だが、情報が増えるにつれ、逆に不安が募ってきた。「説明を聞けば聞くほど、自分たちが分からないことだらけなのが分かってきた」という。そんなとき、住まいのイベント「リフォーム博」というイベントに足を運び、住宅コンサルティング会社 ネクスト・アイズの小野信一代表と出会う。「一番知りたいところをデータを用いて分かりやすく教えてくれた」とS様は振り返る。

ネクスト・アイズには価格や得意な工法など過去の実績を元にしたデータが揃っている。「最も怖いのがぼったくりと手抜き。これを防ぐには中立的なコンサルに頼むのが一番いいと思った」。2回の打合せを経て、小野氏にコンサルを依頼。家づくりが大きく前進した。

完成写真
1.念願だった1階のガレージ。既存建物に水廻りを増設した。
2.LDKの窓側には60’s家具による小さなくつろぎスペースを設けた。
3.蔵書が多いので、間仕切り壁の一部も本棚として活用。ガラスの建具は既存のものを使用。
4.テレビボードを省略することで、インテリアがすっきりし、掃除が楽になったという。配線は壁のなかを通している。
5.小上がりは畳ではなくカーペットを選択。立ち上がりまで漆喰を塗って仕上げたことにS様は感動したという。床材はS様こだわりのブラックウォルナット。
■つくり込まないことが大切

S様の一番の要望は前述したガレージ。そして居住スペースについては、将来の家族構成の変化などに対応できる、つくり込まない間取りが求められた。さらにインテリアは、既存建物の雰囲気を残しながらモダンで機能的なデザインが、仕上げの面では、質感のある自然素材が要求された。

こうした要望をもとに小野氏はハウスメーカーや工務店を4社選定、コンペ形式で各社の提案を比較することになった。

このコンペのあり方が、ネクスト・アイズの特徴の1つ。一般的な住宅コンペは各社の資料をそのまま施主に渡して選んでもらうのだが、見積りの形式や記述内容がさまざまで比較検討ができない。同社の場合は、見積りの項目を共通化し、さらにコンペに参加した各社に、設備グレードや断熱工法などを聞き取りし、独自資料にまとめ直す。「コストの違いも最大で1割弱程度で、検討しやすかった」とS様は語る。

じっくり検討した結果、工務店である匠陽と水石浩太建築設計室を選択。決め手は要望への理解度だった。「僕たちが大切にしていた『つくり込まない』ということを一番理解してくれた」とS様。小野氏はこの選択を、「標準品が中心のハウスメーカーよりも、こだわり肌のS様には合っていた」と振り返る。こうして役者が揃い、家づくりは本格的にスタートした。

完成写真
6.2階の寝室兼書斎スペース。将来的な可変性を重視して、現状はカーテン間仕切りとしている。
7.料理好きのお二人に合わせた機能的なステンレスキッチン。レンジと手かけは施主支給。
8.S様が指定した設備の1つである洗面カウンター。メラミン化粧板と手洗いがシームレスに接合されている。デザインだけでなく、掃除も楽だという。
9.10.11.S様のこだわりの1つが多様なタイル使い。左から玄関幅木、洗面脱衣所床、2階のトイレなど、各所に異なる種類のタイルが扱われている。
■部品単位のこだわりに対応

リノベーションの大きな方針は、1階のガレージと外壁はいじらないというもの。逆に2・3階は内側から解体し、ほぼスケルトン状態にした。その上で耐震補強を施し、間取りを変えた。こうした大規模なリノベーションにより、中古物件の家はまったく別の家に生まれ変わった。まず特徴的なのがプランである。最上階の3階にLDKをもってきている。これは、屋上の活用を念頭においてのことと、採光を重視したことによる。2階には寝室兼書斎と浴室・洗面が設けられている。

インテリア面では、LDKの床材であるブラックウォルナットが目をひく。幅広のムク材というS様の要望に応えた水石氏の提案だ。そしてLDKの一角には畳ではなくカーペットの小上がり。カーペットの銘柄は以前から気に入っていた製品をS様が指定した。

この家には、こうしたS様の提案が随所にある。キッチンのレンジや水洗、把手、そしてカウンタートップと手洗いが一体になった洗面台はS様が見つけてきた製品だ。キッチンユニットに関しては、大阪にある制作会社まで出向いて打ち合わせまでしてきてしまった。「普段使わない材料も採用することになり、いい刺激になりました」と水石氏もS様の情熱には舌を巻く。


After:
12.S様の家の外観。サッシを交換し、塗り替えた。
13.玄関扉は赤色に丸窓を組み合わせたポップなデザイン。

Before:
14.リノベーション前の建物外観。
15.リノベーション前の3階の様子。奥は和室。

■毎日「本当にいい家だな」と思う

この情熱をサポートしたのが、水石氏の対応力。S様の提案や質問について、可否やメリット・デメリットを丁寧に説明し、その上で機能的にも空間的にも破綻しないようにまとめていく。S様も水石氏の設計スタイルには大満足。「細かい注文に付き合ってくれて、しかも僕たちの気がつかないところも格好良くしてくれました」と水石氏の設計を評価する。

こうした絶妙な関係が成立したのは、匠陽のスタンスも大きい。「『どんな製品でも使えるので遠慮なく言ってください。施主支給品も受け付けます』と言ってくれたので、いろいろ提案できた」とS様は振り返る。匠陽とは、引き渡した後も、収納棚やカーテンを付けたりと、交流が続いている。「こうした縁が生まれたのも、小野さんにお願いしたから。設計者や施工者の選定だけでなく、耐震工事の補助金などのアレンジをしてもらったり、現場が始まってからも施工の確認調査など、ずっと付き添っていただきました」とS様は家づくりを総括する。

こうして完成した家だが、S様の満足度はきわめて高い。「『本当にいい家だな』と毎日思いながら生活しています」。
家づくりに関わったプロたちにとって、これ以上価値のある言葉はないだろう。

物件概要
物件名 東京都港区 S様邸
家族構成 ご夫婦(30代)
延床面積 115.78坪 (382.74m2
構造工法 鉄骨造
設計 水石浩太建築設計室
施工 匠陽
住宅コンサルタント 小野信一
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